イードマーケティングセミナー2010

イードさんの毎年恒例になっているマーケティングセミナーに参加。今年は「エスノグラフィ」「スマートフォン」「中国」と流行を押さえてきた様子。全体的には初学者向けセミナーで、無料なので仕方ないかという印象。

株式会社イード :: 『エスノグラフィーの応用術〜スマートフォン×中国を例に〜』
(※当日のスライド資料もリンク先から配布申請可能)

Togetter - 「イードマーケティングセミナー2010」

所感

なぜエスノグラフィなのか?

□ 第1部 基調講演【エスノグラフィーとは何か?】
−13:10〜14:10 「人間中心デザインとエスノグラフィック・アプローチ〜なぜ今、注目されているのか?」
産業技術大学院大学助教 安藤昌也

それでも“UX界のプリンス”安藤先生の講義は得られるインサイトの多いものだった。エスノグラフィの特徴、考え方、効果などがよくまとまっていて、社内布教等に引用できそうなトピックが満載。個人的には下記フレーズが印象に残った。

  • エスノグラフィは「機会発見」「仮説立案」のための調査である
  • 調査結果事態が、いつも発見を生むわけではない
  • 生活者の当たり前の行為・価値観が導出されることが成果
  • ユーザーモデリングの3階層(安藤, 2010)を意識したモデリング

また講義終了後のやりとりも興味深かったので紹介。今回はエスノグラフィありきのセミナーだったが、このワードバズってる昨今で、ちゃんとその位置付けや限界、メリットデメリットを把握して活用しないと力を発揮できないのではと思った。

中国現地調査

□ 第2部 エスノグラフィーを活用した調査事例
−14:15〜15:15 「中国市場理解のためのエスノグラフィー(中国スマートフォンユーザーを例に)」
株式会社イード 菅野直樹・美谷島絵里

中国のスマートフォンユーザー3名に対しての調査だったが、自分も下記Tweetと同じ感想を持った。何だか物足りないというか…もう少し深く突っ込んだインタビューを期待してしまうのだが。

1dayエスノ・ワークショップ

□ 第3部 エスノグラフィー体験ワークショップ
−15:25〜16:05 「1dayエスノとその実践方法(家庭用洗濯機を例に)」
株式会社イード 森原悦子・前田千晶

10分間の洗濯動画を見ながら、気づいた点をポストイットに書き出すというミニワークショップを実施。実際の1dayエスノでは、このあと統合作業もつくらしい。やらないよりはやった方が、という感じか…。

MCSの宣伝

□ 第4部 国内スマートフォンユーザー動向のご紹介
−16:10〜16:50 「iPhoneなのか、Androidなのか? データでみるスマートフォン市場」
株式会社アスキー・メディアワークス アスキー総合研究所所長 遠藤諭

ASCII.jp:MCS Elements発表──iPadで知るコンテンツ利用実態

ここはほぼ宣伝。MCS 2010というネットユーザー大規模調査のデータの紹介に終始。MCSはiPadアプリも出しているので前から少し興味はあったが、いかんせん高額で個人ではなかなか手が出ない。