スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン
- 作者: カーマイン・ガロ,外村仁解説,井口耕二
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2010/07/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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所感
本書はプレゼンの指南本ではあるが、普通のビジネス書としても十分価値のある内容だった。
動画を見ながらだと学習効果アップ!?
本書が他のプレゼンに関する本と一番違うのは、題材となっているプレゼンがすぐに動画で確認できること。自分はYouTubeで当該のプレゼン映像を確認しながら読み進めたが、タイトルにある18の切り口でそれらが分析され、表組などでわかりやすく解説してくれていたので、応用イメージが非常につかみやすかった。内容については以前読んだ「プレゼンテーションZen」と似た部分も多いので参考に。
- 作者: Garr Reynolds,ガー・レイノルズ,熊谷小百合
- 出版社/メーカー: ピアソン桐原
- 発売日: 2009/09/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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良いリーダー=良いプレゼンター
また、こうした細かいスキルや組み立てのTipsはもちろん、やはりプレゼンの要である「パッション」の部分にも深く触れており、それは仕事の選択やリーダー論にまで展開していた。
リーダー論の部分は個人的にとても興味深く、次の言葉などは自分の職場とも照らし合わせて考えてしまった。
「リーダーが現状に満足することはない。よりよい未来が見えているだけに、『今の姿』と『あり得る姿』のギャップにいてもたってもいられず、前へ前へと進んでしまうからだ。これを人はリーダーシップという」 —マーカス・バッキンガム
「パックがあった場所ではなく、パックが行く先へ滑るようにしている」 —ウェイン・グレツキー
今まで「リーダーシップ」と聞くと、大きな声を出してみんなに指示を出していく人というイメージで、とても自分のキャラとは合わないと思っていたのだが、これを読むかぎりではそうではないらしい。様々な情報をかき集め、判断し、よりよい未来を想像することであれば、今の自分も仕事で十分にやっていることだと思う。これを情熱を持って伝えることが良いプレゼンに繋がるというのであれば、心強いサポートである。
心の底から好きだと思える仕事をする
次の言葉は、ジョブズのスタンフォード大学卒業式での挨拶より抜き書き。
「大好きなこと、どうしてもやりたいと思うことを見つけなければならない。それが天職というものだ」
「時間は限られています。他人の人生を歩んで時間を無駄にしないでください。」 —スティーブ・ジョブズ
この辺りの言葉も、最近の自分にはズシリと来る。なんとなく、自分の中での社会に対する問題意識や使命感のようなものがモワモワと形成されてきていて、それをどうしようかと考えている。
35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書)でも言われていたことだが、できることとやりたいことの重なる部分をうまく見つけ、ジョブズのように熱意を持って仕事に取り組める環境を戦略的に整えていきたい。
キーフレーズ
構想はアナログでまとめる
一番大事な問いに答える
- 聞き手はなぜ気にかける必要があるのか?
- 聴衆が痛みを感じる部分を鮮明に思い描く
救世主的な目的意識を持つ
- 「夢を売ろう、製品ではなく。」
- リーダーは未来というものを明確にイメージしている
ツイッターのようなヘッドラインを作る
- 日本語であれば70文字
- 簡潔、具体的、利用者にとってのメリットがわかる
- 1000曲をポケットに
- アップルが電話を再発明する
敵役、正義の味方を登場させる
- 悪玉を明らかにし、ユーザーが悪玉から逃れる方法をはっきりと示す
- アプリケーションを手に入れる度、毎日のちょっとしたジレンマを解決。
禅の心で伝える
- シンプルで視覚的、そして箇条書きがない
- たくさんの文字が書かれていると、話とスライドの両方に注意が分散してしまう
- 理想的なシナリオは、絵が一つに注意してほしい部分を示したもの
数字をドレスアップする、キレがいい言葉を使う
- アナロジーなどの方法で
- 〜のようなもの
存在感の出し方を身につける
- アイコンタクトがある人の方が、正直、信頼できる、誠実、自信があると思われる
- 身振り手振りを使った方が考えがまとまる
- 大事なポイントでは数秒感黙り、聴衆に染込むのを待つ
- ビデオで自分の姿を見るのが一番
台本を捨てる
- 5つのステップ
- パワーポイントの「ノート」に喋る内容を書く
- キーワードをハイライトしてからプレゼンの練習をする
- キーワードだけを残して、プレゼンの練習をする
- スライドごとにひとつのキーアイデアを頭に入れて練習する
- メモなしで練習をする