「おもてなし」のIT革命
「おもてなし」のIT革命―エクスペリエンス・テクノロジーがビジネスを変える
- 作者: 田中達雄
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2010/06/25
- メディア: 単行本
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所感
野村総研のコンサルタントが書いた本なので、ウェブに関する事例は知っているものがほとんどだったが、さすがの調査量とまとめ方だった。ウェブに関するUXの入門としてはおすすめ。
「おもてなし」をITで再現するには
筆者は、よいユーザー体験を作るための技術として、上記をリストアップしている。とかく最近のUXに対する論調では、インタフェース技術ばかりがもてはやされることが多いが、ここで注目したいのは、インタフェース技術は上記テクノロジー群の一部でしかないということである。
UXデザイナーと名乗るなら『解析もできて当然』になっていく
ITチャネルでおもてなしを実現するためには、顧客を知るための情報収集と、収集した顧客情報をもとに顧客を理解し、適切な経験価値を創出する分析・管理系技術が必要となる
おもてなしで有名な老舗旅館の女将などは、お得意様の好みを把握してノートに記し、さりげなく対応を調整していくのが普通である。女将がいかに美人で綺麗な着物を着ていても、肝心の「気が利く」部分が脱落していれば、その旅館を再び訪れたり、他人にお勧めはしないだろう。
ウェブではこれらがまさにアクセスログや購買データの収集と分析、サイト最適化に当たり、こうした技術を駆使しないと本当によいユーザー体験を提供することはできない。今後、『UXデザイナー』と宣うなら、最低限「分析・管理技術」も身につけているべきだと思う。特にウェブに関わる人であれば。
キーフレーズ
ソマティックマーカー
- その経験に対する感情的な結果を結びつけた記憶
エモーション・カーブ
- 顧客接点における顧客の情動の移り変わりを分析する
RFM分析
その他技術
- レコメンドエンジン
- サイト最適化エンジン
- ネットプロモータースコアによる顧客満足度の数値化