小さな会社・儲けのルール
- 作者: 竹田陽一,栢野克己
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2002/11/01
- メディア: 単行本
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Amazonでえらく評判が良かったので、購入&読了。ランチェスターの法則という言葉は初めて聞きましたが、あらゆるアウトプットにおいて2乗の効果を意識すること、それゆえ勝てるフィールドを慎重に選ぶことを今回学べました。
鶏口となるとも牛後となるなかれ
- 会社は粗利益で生きている
- 経営を安定させるためには、市場占有率を高めること
- 何かで1位を目指す(商品かエリアか、業界か客層か)
- 各業界の1位の一人あたり経常利益は2位以下の2〜8倍になっている
会社で働くようになってから、ことあるごとに「何でもいいから1位になれ!」と聞かされてきたのですが、これまではイマイチその理由がわからず、「精神論よくない!」と思っていました。
しかし今回のこの記述は非常に説得力があり、シェア1位とその他の会社では利益率が数倍変わってくるというデータはショッキングでした。
「1位になる」と聞くと、そこまでの道のりが長そうで、つい萎えてしまうのですが、この本によるとエリアや客層を絞るなどして範囲を絞った上での1位もOKとのこと。それなら頭を使えば何とかなりそうだなと思いました。
「強者の戦略」と「弱者の戦略」は違う
- ランチェスターの法則
- 第1法則は一騎打ち戦:攻撃力=兵力数×武器性能
- 射程距離が長い場合は第2法則:攻撃力=兵力数^2×武器性能
- 弱者の場合は第1法則が使える一騎打ち戦に持っていくべき
- 先発会社と差別化し、同じやり方をしない
- 小規模1位主義
- 戦わずして勝ち、勝ちやすきに勝つ
- 対象を細分化する etc.
ランチェスターの法則によると、強者のフィールドでは戦闘力の差が2乗になってしまうとのことです。また、特にコミュニティサービスの場合には、ネットワーク外部性も働くと思うので、既に勝っている市場のライバルたちに正面から当たっていったのでは勝ち目がないのは明らかです。
多分、ここまでは誰でも考えられることかもしれません。ただ個人的に問題だと思うのは、「自分たちは『強者』か『弱者』か?」を正確に認識できるかどうかかなと。すでに弱者なのに、プライドが邪魔して強者の戦略を取ろうとすれば失敗します。よい経営には、自分を弱者だと認める勇気や潔さも同時に必要なのではと感じました。
商品3分に売り7分
この辺りの話は、以前読んだ営業の魔法の本を思い出しました。また全国展開しているローソンより、エリアごとに潰しているセブンイレブンの利益率の方が3〜4倍上なのもショッキングなデータでした。同じものを売っていても、売り方によってこれだけ違うのかと。
人の3倍働くには、1.7倍の時間でよい
ここでもランチェスターの法則を応用でき、アウトプットを高めるためにどれだけのリソースを投入すればよいか、具体的な数値を用いて説明されていたので腑に落ちました。
正直、個人的にはあまり長時間労働についてよいイメージを持っていないのですが、それをいとわないモチベーションを持てたとき、アウトプットが2乗で高まっていくのは楽しみだと思いました。