「週4時間」だけ働く。
- 作者: ティモシー・フェリス,田中じゅん
- 出版社/メーカー: 青志社
- 発売日: 2011/02/03
- メディア: 単行本
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「先送り型人生プラン」をやめるという選択肢
- 富だけ持っている金持ちはもう古い。ニューリッチは、先送り型人生プランを捨て去り、「時間」と「移動」を使ってぜいたくなライフスタイルを創り出す人々のことだ
- 仕事を少なくしてもそれは「怠け」ではない。「怠惰」とは、理想とはほど遠い状態に耐え、成り行きや他人に自分の人生を決めさせること
- 絶対収入より相対収入の方が重要。相対収入はニューリッチの豊かさを測る絶対的な尺度になる
先送り型人生プランのわかりやすい例えとして、「メキシコの漁師とMBAの旅行者」の話がこの本でも紹介されていました。とても好きなエピソードなので、以下引用。
メキシコ人の漁師が小さな網に魚をとってきた。その魚はなんとも生きがいい。
それを見たアメリカ人旅行者は、
「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの」
と尋ねた。 すると漁師は
「そんなに長い時間じゃないよ」
と答えた。
旅行者が
「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ」
と言うと、漁師は、自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だと言った。
「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」
と旅行者が聞くと、漁師は、
「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと遊んで、女房とシエスタして。夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって… ああ、これでもう一日終わりだね」
すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、きみにアドバイスしよう。いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。それであまった魚は売る。お金が貯まったら大きな漁船を買う。そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。やがて大漁船団ができるまでね。そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキシコシティに引っ越し、ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ」
漁師は尋ねた。
「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」
「20年、いやおそらく25年でそこまでいくね」
「それからどうなるの」
「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」
と旅行者はにんまりと笑い、
「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」
「それで?」
「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、日が高くなるまでゆっくり寝て日中は釣りをしたり、子どもと遊んだり、奥さんとシエスタして過ごして、夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって過ごすんだ。どうだい。すばらしいだろう」
同じような価値観は、「人生の時間軸を横に倒せ」というブログ記事でも紹介されていました。会社人生が終わってからやりたいことをやるのではなく、それを横にして、今からやりたいことを平行して始めようという内容です。
たしか昔に読んだインディペンデント・コントラクターの文中でも、"週末のハワイを楽しみに日々の仕事をイヤイヤ我慢して働くのはあまりにも悲しい"と言ったフレーズがあったのも思い出しました。あとダウンシフターズの本も近いかなと。とても共感する部分です。
このあたり、やはり3月の震災があってから、さらに思いが強くなりました。後々のために我慢ガマンして積み上げても、それを楽しむ前に自分が死んでしまうかもしれない。それであれば人生を横倒しすべきだし、一番貴重なのは自分の時間だ、と。
またこの「先送り型人生プラン」、今後の自分の仕事に深く関わってきそうです。次回のエントリで、定年を迎えたシニアについての本の感想を書こうと思っているのですが、準備は早ければ早い方がいいと実感しました。『60歳で定年』という社会システムの、なんと不自然なことか。
捨てる(Elimination)ことの重要性
この80/20の法則(パレートの法則)は、よくウェブや本でも耳にします。それに従って、価値を生む仕組み作りにかける意気込みと、その他の作業を徹底的にアウトソースしていく徹底ぶりには感服しました。なるほど、そりゃあ働く時間が週4時間になるよ、と。
参考になったのは、Eメールやソーシャルサービスなどのメディア断ちについて。自分は1時間に1回はメールチェックやサイト巡回をしてしまうのですが、これを読んでから回数を減らすことにしました。またメールを見る前にやるべきことをやってしまうスタイルにしようと思っています。
ビジネスの自動化(Automation)
- バーチャルアシスタントを使い、自分の時間を作って、より大きなより有意義なことに集中する
- マーケットの選択→商品の研究→ミニテスト→展開と自動化
ビジネスの領域についてはそれぞれの人で違ってくると思いますが、共通するのは、これからは自分でサイトをちょこちょこと作ったり、検証する能力は必須だなということです。本ではWordPressやWeeblyが紹介されていました。
たとえウェブデザインやプログラムができなくても、今では簡単に自分ひとりでサイトが立ち上げられる時代になりました。自分もこの長期休暇の間にJimdoで人のためにサイトを用意したりしましたし、ちょうどWordPressも勉強中です。前職でやっていたアクセス解析のスキルも今後役に立ちそうだなと期待しています。