ミゾイキクコさんの発言からシニアに優しいITデバイスを考えてみた(後日談)

会社ブログ5回目です。

おそらく現時点で「コンピューターおばあちゃん」に一番近いであろうミゾイさん(@kikutomatu)の発言をまとめ、それに対して提案をしてみた記事です。

考えてみたポメラ型のTwitter専用端末、自分では結構いい線いってるんじゃないかと自負しておりますが、どうでしょうか。ホントに開発してくれるメーカーさんいるといいのになぁと思っています。

万能端末か、専用端末しか生き残れない

日々のパソコン教室での話ですが、ある程度パソコンがわかるようになったシニアの方には、こちらからiPhoneを試してみませんか、とおすすめすることがあります。
しかしそういったとき、結構な確率で「興味はあるけど、私には使いこなせないよ(^^;)」とおっしゃる方が多いんです。

「使いこなす」とは何なのか。

そんなこと言われると、僕らだってiPhoneの機能のうち何割を使っているのでしょう?どこまでいったら「使いこなした」と言えるのか。

機能がたくさんついている、何でもできるような商品は、一見便利なようで、シニアの方々には「使いこなせるか?」という心理的なハードルを作ってしまっているようです。


そういったときに、目的や用途がシンプルで、スイッチを入れればすぐ使え、余計な機能を削ぎ落したものをスッと差し出してあげる。「これなら私にも使いこなせそう」、そう思ってもらえるような商品が、もっと市場に必要だと思うのです。

おそらくそういったシンプルな商品を使っているうちに、「もっと便利な商品が欲しい」というモチベーションが生まれるでしょう。シニア市場の攻略には、こうした“階段”を作ってあげるのがいいのかな、と思います。


「高齢者向け」と書いた時点で十字架を背負う

ただ一方で気をつけるべきなのは、こうしたシンプルな商品を「高齢者向け」と名打ち、いかにもそれっぽいデザインで作ってはいけないということです。

ちょうど最近、高田馬場のパソコン教室に、専修大の学生がシニア層の参考にと見学にいらっしゃいました。そのあと、こちらも高齢者のプロフェッショナル、磯村さんのところに話を聞きに行くというのでお供させてもらったのですが、そこで聞いた話が印象的でした。

  • スティグマ(不名誉な烙印)
    • 介護向け、高齢者向けと書くことで、使いたくなくなってしまう
    • 日本の高齢者向けデザインはパステル調、安全、優し過ぎ
    • 自分が使いたいと思うか?を基準にデザインすべき
    • その人が若かったころを思い出すような、Coolなデザインを

磯村さんは、特に移動用プロダクトのデザインを担当されているとのことですが、介護系の展示会に行くと、本当に高齢者の尊厳を守れないようなデザインのもので溢れていると。

シニアの方々にiPadが人気なのは、それが別段高齢者向けだからと言うわけではなく、誰にとってもCoolであるからです。

デザインはCoolだけど中身はホントに単機能。そんな商品がもっと出てくれば、メーカーにとってはシニア市場に切り込んでいけますし、シニアの方々にもインターネットやその他サービスの楽しさを提供しやすくなるのになと思っています。