あなたの会社が90日で儲かる!―感情マーケティングでお客をつかむ

以前読んだ『成功者の告白』に続き、神田さんの本を読みました。
今回もかなりの『当たり本』。今考えるべき「効果的な営業」について、とてもたくさんのヒントをもらえました。

いかに「お客が感じる価値を高めるか?」

  • できるだけ「高く売る」ことを考える
    • 価値には、「絶対的な価値」と「お客が感じる価値」の2種類がある
    • お客というのは、購入しようとするサービスの価値が支払う金額よりも高いと感じたときに購入する
    • 割引とは、極めて安直な方法であり、バカでもできる
    • 割引をするよりも、おまけ商品をつけた方が売り上げが高くなる
  • 人間は理屈では買わない
    • 感情で買い、理屈で正当化する

いまの自分の業務にとって、「営業」はすなわち「自社サイトの設計」です。
サイトのコンテンツや書き方の参考にするため、最近は他の調査会社のサイトなどをベンチマークすることが多いのですが、いまいち「この商品が欲しい」「ここに仕事を頼みたい」という気になりません。

どこの調査会社も、最新の調査手法の説明や、うちに頼めば○%改善などなど、理屈としては正しいことを書いています。


でも、なんだか心が全然動かされないんですね。


少し自分のことを顧みると、前々職のコンサル業務では、いかにロジカルに相手を説得すべきかを学んできました。また前職のリサーチャー時代でも、できるだけ正確で主観を排したレポートを作るよう意識してきました。

しかし、この1月の自分の転職においては、条件面などを見たらとてもロジカルな説明できる行動ではありません。なぜそんな選択をしたのかと言えば、代表・森の書くブログや、親や嫁の仕事の様子を見て、心が動いたからに他ならないのです。

ロジカルの申し子だと思っていた自分が、肝心なところになるほど、感情に頼った判断をしていたという事実。

コンサルタントやリサーチャーがいくら理論詰めたレポートを出したところで、結局、最終的な判断は感情に大きく左右されるのが普通で、理論はその言い訳にすぎないのではないか、と最近よく思います。


話がそれてしまいましたが、現在も行っている自社サイトの改修においては、この本を読んでから、「この書き方で読み手の感情を動かせるか?」ということを常に心がけるようにしています。


商品を売る前に、自分を売る

  • 顧客は、「私はこの会社に家を立ててもらいたいかどうか」の視点でチラシを見る
  • 会社の姿勢やこだわりを売る
    • 人間くささを全面に出す
  • お客がいれば、商品がなくてもビジネスは立ち上がる

これも営業活動としてのサイト改修で応用できるテクニックです。
多くの調査会社では、そこに仕事をお願いした場合、誰が担当してくれるのかは顔合わせをするまでわかりません。
しかし自社サイトの場合は、そもそも社員が少ないので顔が見えやすいのが長所だと思いますし、公式ブログから個人ブログにもリンクを貼っておくことで、どんな人間が調査を担当するのかなるべくわかるようにしています。

感情を動かす言い方

  • 表現の違いだけで、お客からの電話の数が10倍も違う
    • 「まだ無駄金を使いますか?」
  • 人間が行動する原因は二つしかない
    • 快楽を求める or 苦痛から逃れる
    • 後者の方がより強い要因になる
  • 情報が足りない場合には、人間はリスクを感じて行動を起こすことができない

同じ労力、同じコストをかけても、効果が10倍も違うことがあるという事例は結構ショッキングなものでした。自分も、使う言葉にもっとセンシティブになる必要があるなと。
また、苦痛を逃れる表現、マイナスを意識させる表現の方が効果が高いということで、自社サイトでは、「使いやすさ」よりも「使いにくさ」というネガティブな言葉を意識して用いるようにしています。

コンバージョンまでの設計図を作る

  • 『そのうち客』の収集
    • 「 その情報を知らなければ損をしてしまうのではないか?」
    • 情報ツールで商談相手の特定をする
  • 営業マンではなく、専門家として声をかけてもらう
  • スムースに登れる階段を設計する
    • 切り口を変えながら、ニーズとウォンツを高めていく

自社サイトでの最終的なゴールは「調査案件の受注」になりますが、初めて来た人がいきなりそこに到達するには階段が高すぎます。そこで、今までなんとなく発行していた「メルマガ」の位置づけを見直し、調査発注前の小さな階段として役割を再定義しました。
また、今後は「無料相談」「解析サポート」などの次の階段も用意し、ゴールまでうまく刻んでいけるようにと計画しています。