DESIGN INNOVATION FORUM 2009
フォーラム参加メモ。
DESIGN INNOVATION FORUM 2009では、工学的な立場から人間の五感について定量的な研究を行い、その知見をもとに企業と学生が新たな製品開発の芽を生み出すことを目的としたワークショップや研究の成果を発表し、よりよい製品、よりよい環境を生み出す工学とデザイン、経営のあり方を模索します。
http://nd.nikkeibp.co.jp/nd/dif2009/
東大は最近デザイン思考を用いたイノベーション手法に力を入れており、i-Schoolでワークショップ中心の教育を広めている。また東京芸大と東大工学部も共同プロジェクトを行っているようで、「工学+デザイン⇒イノベーション」と掲げて本気で取り組んでいる模様。
所感
会場はメーカーや教育関係の人が思ったよりも多く、300人もいるのに見た限り誰もノートPCを出していなかった。その時点で自分としてはまず違和感。
今回はプロダクトデザイン中心の話だったが、特に海外事例を聞いてみると、「アイデア一発主義」のような印象を受けた。観察調査のことも少し出てきたが、デザイナーにとってそれは単にアイデアを呼び出すためのものでしかない。このあたりはWeb中心でやっている自分にとって、話がフワフワしていて腑に落ちないところだった。あまり「時間」の概念がないというか、何というか。同じデザイン業務でも、プロダクトとサービスの間には結構距離があるのかもと感じた。
あと全体を通してUniversal Designという単語が多く出てきたが、結構時代遅れなコンセプトだし、今回のテーマであるイノベーションとは相性が悪いのでは…。トライポッドの方が運営に入っていたというのもあったのかも。
基調講演「Design Innovation & Education」
We teach designing, not design.(デザインは活動である)
個人のための郵便ポストを考える授業
⇒誰が使うのか考え、楽しいものをデザインする時代
特別講演「Creative Fuel: A process-based approach to design innovation」
Inprovement+Change=Innovation
Why make more products?(何を作るかでなく、なぜ作るか?)
Annalyzing Patterns of Behavior
⇒観察をすることで、製品開発のアイデアとしよう
2つの物体のコラボレーション
⇒マトリクス状にモノ同士の関係性を整理し、組み合わせてみる
開発事例紹介「『場』とインターフェース」
「働く場」「学ぶ場」「集う場」が変化してきている
場作りの方法論
場作りのポイントはインターフェース
椅子のCADデータのデモにiPhoneを利用している
ショールームでタンジブルUIを試験中
開発事例紹介「住宅展示場事例紹介 東京都新宿展示場」
トライポッドデザインと共同で、展示場のUDチェックを行った
展示場の改善活動
生活シーンがイメージしづらいという声があった
⇒住んでいる家族、生活ぶりを細かく設定した(家族ペルソナ)
開発事例紹介「五感から発想するイノベーティブな空港デザイン」
観察調査
様々な人種の箸、マグカップの使い方を観察
共同プロジェクト
東大機械工学科の学生が空港内を観察調査し、プロトタイプを作成
・視線が交錯しないベンチ
・スタイリッシュなカート
・不安を取り除くサイン
特別講演「DESIGN AND INNOVATION FOR AGEING SOCIETY」
デザイナーは、よく自分のためにデザインしてしまう
⇒これからは人のためにデザインしなくてはならない
シンガポールのカードゲームの例
普通の人が使っても全く面白くないが、アルツハイマー患者に向けて作り評価された
⇒目的志向のデザインができていたから
特別講演「トヨタのサスティナブル・デザイン・イノベーション」
開発コンセプト「j-factor【日本独創】」
相反する概念を、妥協ではなく調和させる
・Ecology×Emotion
・VIBRANT CRALITY(TOYOTA)
・L-finess(LEXAS)