人を動かすテクノロジ

実験心理学が教える人を動かすテクノロジ

実験心理学が教える人を動かすテクノロジ

所感

「説得」という切り口からコンピュータやシステムを考え直すという本。説得というと大げさだけど、実際Webサービスに携わるものであれば、そのほとんどがユーザの説得の繰り返しだということに気付かされる。特にユーザエクスペリエンス調査なんて、人を説得するストーリーをどう作るかという仕事だし。
実験心理学の本というだけあって、諸所に実験の説明があって個人的には懐かしかった。こういう切り口でいけばもっとたくさん実験なり研究できたのかーと、ちょっと研究室が恋しくなる感じ。やっぱり人間の特性に迫るっていうのは独特の面白さがあるなと。

自分にとっては非常にInsightの多い本で、本が付箋でいっぱいになってしまった。


キーフレーズ

Captology = "Computer as Persuasive Technologies"

人の態度や姿勢、行動を変えることを目的として設計された対話型コンピュータ

説得に用いられるコンピュータは、次の3つのうちのどれかとして振舞う

ツール
 手順の省略、カスタマイズ、監視 等
 タイミングの神『Kairos』

メディア
 シミュレータ

ソーシャルアクター
 キャラクタの擬人化、コミュニケーション
 自分と似ていると感じたときほど説得力が高まる
 コンピュータに褒められるとこちらもプラスの印象を持つ
 アクターの例⇒たまごっち

信頼性が高いほど説得力が増す

 広告のレイアウトや密度等の外見から初期評価することが多い
 権威ある組織による運営 Halo効果
 信頼性=信用性(公平公正さ)+専門性(知識経験)
 競合相手へのリンクがあると信頼できると評価されやすい
 使いやすいサイトは信頼性のポイントを獲得できる
  ⇒サイトで何をすべきかがユーザの推測と一致すること

フィンランドでは携帯のことをkanny(手の延長)と呼ぶ

 Kairos要因を考える上で、携帯は説得に非常に適したデバイスである

社交的比較

 他人、特に尊敬する人と自分を比べて行動を変える

やる気を起こす7つの内因性要因

 空想、好奇心、挑戦、コントロール、競争、協力、表彰