グーグルに勝つ広告モデル
- 作者: 岡本一郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/05/16
- メディア: 新書
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所感
グーグルという言葉に反応して買ってみたが、内容ではほとんどグーグル自体に触れられてはおらず、ネットの隆盛に対してマスコミ各分野はどうしていくべきか、という話。
自分はWeb業界にいるため、どうしても「マスコミ不要」的な意見を持ちがちだが、この本ではマスコミがなぜ日本の世の中に必要かがわかりやすく語られており、納得してしまった。そして崖っぷちのマスコミに対して、本当に現実的で前向きな対処方法を提案していて、その真剣さには頭が下がる思い。
広告とは関係ないが、印象的だったのはウィキペディアの話。無料で高いクオリティの百科事典としての地位を確立しているウィキペディアだが、そのコンテンツのほとんどはそもそも信頼できる既存のマスメディアがお金をかけて作り上げてきたような情報群である。ウィキペディアのせいでそのソースとなっていた既存マスメディアが打撃を受けているというのは皮肉な状況と言える。
実際の業務でも、Web2.0的なユーザ参加型サービスに携わっているが、「無料で使われる」ことが情報を流通させる上で一体どういうことなのかを考え直すよいきっかけになった。