知的生産の技術
- 作者: 梅棹忠夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1969/07/21
- メディア: 新書
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所感
なんと40年も前の著書。しかし内容は驚くほど現代的で、今も昔も人間の思考の根幹部分は変わらないんだなと改めて思わされた。
そして本の中で「できたらいいのに」と言っていることが、今の技術ではさらに効率的に、かつローコストで実現可能になっているのに驚く。
文書編集においては日本語のワープロができ、カード式思考法はブログ、Twitter、タグ整理で代用でき、等々。これだけ恵まれた環境にあるのに実行しないのはもったいないことこの上ない。
ただし、情報の組み替え、並び替えについてはPCモニタ上では難しい作業なので、リアルに表出させて行う習慣をつけたいところ。
また蛇足だが、これを読むと40年前の仕事の様子がわかっておもしろい。手紙でのやりとり、原稿用紙、カタカナタイプライター、ファイリングなど。今から思うとこれでよく仕事が進んだなという感じ。そういえば昔の文書はカタカナのみで書かれているものが多い気がしていたが、こういう理由もあったのかも。
キーフレーズ
知的生産というのは
頭を働かせて、何か新しいことがら(情報)を、人にわかる形で提出すること
ルーチンワークとは別の、考えることによる生産である
発見の手帳
毎日、いろいろな現象を捉えて、豆論文のようなものを作る
⇒Twitter、ブログで実現可能
カードに書くのは、そのことを忘れるためである
カードの作業で重要なのは組み替え作業である
カードは蓄積の装置というよりはむしろ、想像の装置なのだ
生産的読書法
読書において大事なのは著者の思想を正確に理解すると共に、それによって自分の思想を開発すること
本をダシにして、考えを開発し育てていく
わたしにとって「おもしろい」ことを書いていく
文章の作り方
全ての資料、カード、思いつきを並べる
分類するのではなく、論理的に関連がありそうだと言うものをまとめていく
「こざね」を作り、これを繰り返していく