デザイン・リサーチ・メソッド10
- 作者: 日経デザイン
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/06/11
- メディア: 単行本
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所感
世界的に評価の高いデザインファーム10社について、そのデザインプロセスをわかりやすくまとめた1冊。9000円以上と非常に高価だが、写真やコンセプトチャートなどが多く配置され読みやすかった。
多くのファームに共通しているのは、やはり「調査−発見−検証」という大枠が見て取れること。プロダクトデザインの分野においても、決してデザイナー単独で自由にデザインを進めているわけではない様子。
意外に「ブランド分析」に重きをおいて、そことユーザーの接点を探すというパターンも多かった。インターフェイスは「相手」と「自分」の交わるところなので、双方への十分な理解が必要だからだろう。UXというとどうしてもユーザーのみに目を向けてしまいがちだが、自分のことが見えてなければ効果は半減する。
また「デザイナーが自ら調査を担当したほうがよい」というファームもいくつか見られた。確かにいま自分が業務でリサーチなどをしても、無意識的にフィルターを掛けて資料化してしまっていたり、課題解決アイデアの幅が限られてしまっているのも感じる。調査プロセスにいかに他の分野や現場の人を巻き込めるか、今後注意して取り組みたいところ。
キーフレーズ
- 少数のエクストリームユーザーをターゲットに調査を実施する
- あくまでもデザインを生み出すためのインスピレーションを得るため
- 正規分布の右端と左端の2種類のエクストリームユーザー
fuseproject
- リサーチの基本に「ブランド」を据える
- 従来型の消費者調査に疑問を持っている
- ほとんどの消費者は自分たちが欲しいものが何かわかっていない
TheAlloy
- あらゆるリサーチをデザイナー自身の手で行う
- 外部スタッフに頼れば、取捨選択されたものが結果として報告される
tangerine
- 睡眠やベッドの写真を提示し、ビジュアルに対する意見を引き出す、
- 言葉による質問ではなく、関係する写真を見せてイメージを喚起させる
seymourpowell
- 70人のスタッフのうち、15人がリサーチチームに属している
- デザイナー経験のあるスタッフがリサーチを担当することが大切
- プロセスを熟知しているデザイナーこそが、デザインによる可能性を発見できる
INNODESIGN
- Design First(デザインファースト)
- デザインのアイデアが最初にあり、それを実現するために自ら商品企画を練り上げる