オブザベーションWS

久々に再開された共同研究、今回は「HCDの理解」というテーマで講義&ワークショップを行う。


今回は基礎的な内容が中心で、既存メンバーにとっては今までやってきたことを体系的に振り返って定着をはかるのが目的。
また前半の講義の部分は社員自由参加の形にしていただいたため、昨年度の活動でHCDに興味を持った人も10名程度聞きに来ていた。



詳しい内容は、先月浅野先生が担当されたIA2010のものをアレンジ。

[IA2010] HCDの理解:日本ウェブ協会
今回は、講師に浅野智氏(横浜デジタルアーツ専門学校教務部長)をお招きし、『今さら聞けないHCD』というサブタイトルにあるよう、前半の講義において、かっちり最初から HCDを学んでいただきます。さらに後半では、HCDの基本である「オブザベーション(観察法)」を取り上げ、ワークショップを実践。実際に頭と手を動かし、体験のなかでHCDの第一歩の理解を深めます。


関連リンク:

NHN Japanでオブザベーション・ワークショップ | 情報デザイン研究室
日々之予習復習健忘録ブログ: 3発目「Web制作者のためのHCDプロセスの理解」その2
共同研究プロジェクト ブログ - ハンゲーム

所感

今回のワークショップで得た観察法の肝は、「作業を細分化する」こと。細かく割ると問題点が見えてきやすい。今回のゼリーの例ではステップを10-20程度に分割して観察しているグループが多かった。人の行動を観察することなど普段の生活ではなかなかなく、その点ではみんな初心者であるはずなのに、最終的にはどこのグループも複数の問題点に気付けたことからも、この手法が有用で即効性もあることがわかる。


そして、普段何気なく食べているゼリーでさえもこれだけIssueが潜んでいるのだから、Webサイトなんて改善のキリがないのではと思わされた。


また特別ゲストの上平先生からの講評で印象に残ったのが、ユーザーにとって一番のエクスペリエンスを損なわないように注意を払う必要があるということ。ゼリーの量を減らしてハネを防ぐという対応では、「おいしいゼリーをたくさん食べられる」というユーザーにとっての価値を損ねてしまう。問題点を探すのと同時に、元々持っているプラスの部分も一緒に理解しておかないと対応を間違ってしまうなと感じた。


キーフレーズ

HCDプロセス
 求められるのは、いつもユーザーの事を考え続けることではない
 いかにプロセス内にユーザーを連れてくるか?を考える


動かした手に神は降りてくる
 アイデアとは今まであったことの組み合わせ


HCD手法の有用性
 これを表す絶対値はない
 しかし、やればやっただけ確実によくなる