情報デザインの教室

情報デザインの教室 仕事を変える、社会を変える、これからのデザインアプローチと手法

情報デザインの教室 仕事を変える、社会を変える、これからのデザインアプローチと手法

所感

いつもお世話になっている情報デザインフォーラムの方々による共著。情報デザイン、人間中心設計、インフォグラフィックス等々。
各手法の説明では、関連したトピックが表組みなどで列挙・整理されていることが多いため、スキルの棚卸しに役立つ。さらに豊富な事例、ちょっとした実務上のノウハウなども盛り込まれており、既に知識経験がある人が手にしても十分に発見がある書籍。
また手法が実務で活用されている様子がわかる写真も多く掲載されているため、雰囲気が伝わってきて理解が促進される。

「初心者の教科書」ではなく、「指導者の教科書」

その一方で、「教室」というネーミングからUX初学者のための入門書によいかと期待していたが、バックグラウンドの異なる方々の共著ということもあり、全体として思ったよりも構成がバラバラしている印象を受けた。

  • 紹介されている事例がWebからプロダクト、学術研究まで多岐にわたるため、手法間の連続性や大きな体系がわかりにくい
  • 似たトピックが各所で微妙に違うニュアンスで繰り返し登場することがあり、「さっきも読んだ」感覚を受け混乱しやすい

よって、初心者が自学自習に用いるのにはあまり適さないように感じた。どちらかといえば、学校の授業や必要な場面で逐次参照するための辞書的な活用、もしくは指導者が自分の知識を確認したり教育計画を立てるのに使われるとよいと思う。


と書いたら、やっぱり同じような感想持った人もいた様子。

情報デザインの教室 - ↓


初心者の自学自習という点においては、下記書籍の方が全体の流れがつかみやすくおすすめ。

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