第2回HCD研究発表会
昨年に引き続き、HCD-Net主催の研究発表会に参加。当初は聴講のみのつもりだったが、「事例発表セッション」にて発表およびパネルディスカッションの機会をいただいた。(前回の情報デザイン教育研究会参照。)HCDの総本山でWebサービスの現状を紹介できるのは非常に嬉しく思った。
Togetter - 「第2回HCD研究発表会」
2010年度 第2回HCD研究発表会に行ってきました ? Takehisa Gokaichi Memo
事例発表セッション
「Ameba におけるUX 向上の取り組み」サイバーエージェント 鈴木千絵 氏
「インターネット事業に適したHCD 活用方法とは?」NHN Japan UXチーム 佐藤純 氏
コーディネーター:浅野 智氏(横浜デジタルアーツ専門学校、HCD-net評議委員)
発表内容は以前と同じなので、パネルディスカッションと質疑を回顧してみる(覚えてる範囲で…)。あまりTwitter上での言及がなかったので反応が心配だったが、今回もまた新たなWebサービスの担当者さんと繋がりができたり、メーカーさんのデザイン評価状況を聞いたりできたのが収穫だった。
どうやってHCDの流れになったの?
(佐)もともと韓国本社にラボがあり、3年半前に日本にもチームができた
(鈴)4月に浅野先生にお願いした
活動を始めるにあたり、社内での説得はうまくいったのか?
(佐)ちょうどサービス10周年イベントに乗せて予算が確保できたので運が良かった
(鈴)勉強会を奨励する制度が整っている
ペルソナよりシナリオ重視?
(佐)最近はがっつりペルソナは作っていない。テストしてその場で改善案のまとめ
資格認定セッション
「認定人間中心設計専門家」第2期の募集について。ここ1年、いろいろな同業の方と名刺交換をした際に、この1行が入っていることで後光が差しているように見えたので、今年はこの資格にチャレンジするつもり。
コンピタンス中心の評価体系になっており、思ったよりしっかりと記述内容を検討しなければならない印象。ユーザビリティ評価業務はもちろん、プロジェクトマネジメント能力や、HCDの指導能力などまで含まれる実践的な資格なので、どこに行っても通用するアピール材料になることを期待している。
HDDレコーダユーザのUX評価の継時的変化と評価構造
UX界のプリンス、安藤先生の発表。製品満足度に寄与する要因は、初めのうちはユーザビリティの割合が大きいが、慣れとともに影響力が小さくなるとのこと。一方で使用時のイライラ感などは、いつまでたっても製品満足度にネガティブな影響を与え続ける。この誰もが思い当たる節があるトピックを全て定量分析しているのがすごい。
コンセプト・リファイン方法の研究(ストーリーボーディングの提案)
いつもお世話になっている浅野先生の発表。正直、この発表が一番アットホームで盛り上がっていた気がする。そういう場の空気を作ってしまうのも才だなぁと。
仕様段階でのストーリーの欠落は、実際社内でUX業務をしててもよく遭遇する。「このTOPページは誰がどういう状況で出会うのか?」ということが想定されていないと、ユーザーテストのしようがないという。