減速して生きる—ダウンシフターズ
- 作者: 高坂勝
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/10
- メディア: 単行本
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所感
前から気になっていた一冊。年収600万→350万でも、豊かに暮らせるとはどういうことか?会社を大きくしてどうしたいのか?何のために儲けるのか?常日頃持っていた問題意識とリンクする部分が多く、改めて働く意味を考えさせられた。
特に印象に残ったのは、「生活に必要な収入から逆算して労働時間を決める」という部分。普段の自分たちは「できるだけ労働しまくって、得た収入を使い切る」というスタンスがほとんどだと思うが、右肩上がりの成長時代が終わり、年々税金や社会保険料が高くなっていく中、こういった生活は時代遅れなのかもしれないと本当に思わされる。ちょうど最近保険料も上がって、Twitterでつぶやいたところ。
一方で、こうした著者の生き方は憧れるが、そっくりそのまま真似するのはまだ難しいかもと思う。著者は意を決して1年以上旅人生活をしたり、米や大豆をやすやすと栽培したりと、今の自分にとってはハードルが高いように感じた。
いきなりこうはできないかもしれないが、自分の得意としているインターネットの分野は、こうした「好きを貫いて」「人と繋がって」いく生き方とは相性がよいはずだと考えているので、徐々にでも自分にできることを考え、粛々と準備を進めておきたいと思う。
キーフレーズ
豊かさのリデザイン
- 拡大や成長がなくたって、自分は十分幸せに暮らしている
- 食に向き合い、家族の会話で笑いながら食べることこそ、健康への第一歩
- お金をかけるのではなく、手間隙をかける
たった6坪の飲み屋
- 収入と労働時間に上限を設ける
- 自分をごまかさずに行動することが生きる自信と誇りに繋がる
ヒマで繁盛しないのに黒字経営
- 会社を大きくして何をしたいのでしょう?
- 何のために、どのくらい儲ける必要があるのか
- 目標よりプラス5%も売上高を得てしまったとき、適正売上高に減らす対策をとる
- 漠然とした成長志向や拡大志向がなければ、不必要な先行投資をしないで済む
- スモールメリット
- 好きを全部組み合わせれば、オンリーワンに誰でもなれる
- 全ての人がトップを目指さねばならない社会は疲れます
- 幸せの原点は「比べない」「足るを知る」です
「円」を儲けるのではなく、「縁」を設ける
- 現金収入しかないサラリーマンは、「囲い込む」文化になりがち
- 「分かち合う」という朗らかな文化を持つ
- 繋がっている者同士にお金が循環して、みんなほどほどの利益を出す
自給→自信→自立→自由
- 「半農半○」で、好循環スパイラルに
- 低収入で生活が可能であれば、個性や好きなことを生かして仕事にできる
- ローカリゼーション的な持続可能社会を作っていく
- 会社を辞めても「大丈夫」という根拠になる
- おおよそ半分の自給ができていれば構わない
システムから降りる
- もう過去の経済システムや雇用システムは終わろうとしています
- いい学校を卒業したからといって、いい会社に入れる訳でもない
- お金は少々でも、自分でなんでもできれば買うのもが少なくても豊か
ダウンシフターズ
- 「横出世」ー家庭、地域活動、市民活動、趣味活動で必要とされる存在
- 会社以外にも自分の存在価値を見つけて活躍する人は、老後を幸せに過ごす
- 自分の仕事に社会的意義を見いだしていないと、収入面でしか自分を評価できない