営業の魔法

営業の魔法

営業の魔法


「売らない」営業

営業とは、お客様の問題を解決するお手伝いをする職業です。

この本の要旨は、ほぼこれで言い切られていると思う。営業の仕事は、商品を売るのではなく、困っている人の相談にのることだと。
これまで「営業」と聞くと、ノルマがあって、買いたくない人にも無理矢理買わせて目先の数字を稼ぐ職種だという良くないイメージを持っていたが、この言葉でかなり見方が変わった。こうなると、コンサルティングと一緒では?と思ったが、次の記述を読むと少し違う様子。

解決するアドバイスを人は求めているのではなく、自分を理解してくださる人を求めている

解決のアドバイスを向けると、相手は「欠点を指摘されたように」感じ、防衛のための攻撃が返ってくる。これはコンサル業界を経験しているとやりがちなので気をつけたい。


何を検討するのか?

「検討する」という一言の中には色々な問題が隠されています

一度白旗を上げ、「本当のところはどうなのでしょうか」と聞いてしまう

これを読んだとき、ちょうど最近某アクセス解析ソフトの営業を受けたときのことを思い出した。こちらが「検討します」と言ったときに、同じように懸念部分をピンポイントで聞き出されたのだった。そのときは価格面を心配していたのだが、それを話したところすぐに適したプランを考えてくれ、確実に成約に迫ってくるのを感じた。
この辺りのクロージングテクニックはとても参考になる。


ストーリーを使って語ること

人は説教が大嫌いです。類推話法の素晴らしいところは、説教調になりがちなことを、物語に置き換えることで、相手に気付いていただけるという効果があります

UX界隈でも盛り上がり中なストーリーテリング。この本自体がそういう構成であるし、後日書評を書く「告白」という本もストーリー仕立てで非常に読みやすかった。ともにグイグイ引き込まれ、まるで自分自身が失敗してそこから学んだかのようにポイントを頭に入れることができた。
「ストーリーで語れる力」はこれから大注目なスキル。