成功者の告白 5年間の企業ノウハウを3時間で学べる物語
- 作者: 神田昌典
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/01/27
- メディア: 単行本
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これも2011年お気に入りベスト3に食い込んでくる本だった。主人公が会社を辞め、ビジネスを起こして一見成功するも、それとバランスを取るかのように訪れるプライベートの闇。ウェブ業界に本当にありそうな話に思わず感情移入してしまい、夢中になって読破してしまった。Amazonで評価が高いのもうなづける。
自分もいずれはビジネスを持ちたいと思っているので、本に出てきたアドバイスや課題は非常に参考になった。急な事業拡大の起こす歪みについてはダウンシフターズの本でも勉強したので意識しておきたい。
ステージ1:ビジネスの立ち上げ
- ビジネスで成功するためには、第一にタイミング、第二にタイミング、第三にタイミング
- 儲けることに真剣な経営者は、自分の売っている商品を心から愛している
- 一番辛い時期というのは、顧客を100人獲得するまで
- 100回自分で宣伝するよりは、ひとりの顧客の声を聞かせた方が効果的
- 無料の方が早く、安くビジネスが立ち上がる
- 半年間は、資料請求した顧客をフォローする
このあたり、アドバイスが具体的でわかりやすかった。実際はこんなにスラスラと事業が立ち上がりはしないだろうが、タイミング重視というのはウェブ業界で働いていると実感できる。遅いのはもちろんダメだが、早過ぎてダメになったビジネスもよく見かける。
もし自分でやるなら、顧客の声を使った宣伝というのはぜひ積極的に活用したいところ。
ステージ2:家庭とのバランス
- 仕事のために、家庭があるんじゃない
- 夫婦でうまくいくためには、お互いが同じスピードで成長していかなければならない
- 子供は、家庭の場を無意識に感じ取って、親に取っての最適なカウンセラー役となる
本の中では、主人公のビジネスが成功するにつれ、夫婦はお互いを信じられなくなり、子供は病気で死にかけたり、本人は浮気をしてしまったりと家庭が崩壊していく様子が描かれていた。特に子供のエピソードは読んでいて本当にこんなことがあるのかと恐ろしくなってしまったが、自分も小さいときに親同士がケンカしていたりすると同じような反応をしていたかもなぁと思い出す。
ステージ3:経営のシステム化
- 第一に母親的な愛情、その次に父親的なしつけを行うこと
- 道徳や価値観に関することを教えるには、時間をかけて何回も言い続けなければならない
ビジネスがある程度の大きさになったところで、経営者一人では全てをコントロールできなくなるポイントがある。そこで会社の経営をシステム化しないともう一段上に登っていけないとのこと。
一方で個人的には、これからはビジネスによってはあえてスケールしないで、経営者の目の届く範囲にサイズを抑え続けるのも手だと思う。経営のシステム化を受け入れると、どうしても調整やら申請やらの中間業務が発生し、場合によってはビジネス効率を下げてしまう。
特に今は少人数ビジネス向けのサービスが充実してきているので、事業を拡大するときには慎重に。