野村再生工場

最近興味のある「教育」分野の本の取っ掛かりとして。

なるべく教えるな

まずは選手の中で問題意識が高まるようなアドバイスをし、本人に疑問が生まれるように仕向けることが必要だ。すると、「どうしたらいいでしょうか」とコーチに聞いてくるようになる。

選手が本当に欲しているのは、「どうすれば欠点が矯正されるか」という具体的なアドバイスである

早速「教える」ことに関しての記述。ここには、「欠点を指摘する」などということは全く書かれていなかった。
まずは自分で疑問を持たせ、考えさせ、欠点に気付かせる。向上心や知識欲が最高に高まったタイミングで初めて、それを矯正する方法を教えるという順番である。
正直、今までの自分では、人を教えるときにここまで我慢したことはなかったように思う。まずはできていない点を並べ立て、肝心の直すにはどうしたらよいかの方法は自分で考えるようにと突き放してしまうことが多かった。逆である。最悪である。

もっとも大切なのは愛情

どのようなリードをすればいいのか、私は答えは言わない。もちろん、言いたいことは山ほどある。けれども、我慢して、あくまでもヒントを出すだけだ。

これは現楽天の嶋捕手に対しての接し方らしい。古田選手のときも、ボヤキが聞こえるように近くに座らせていたらしいが、辛抱強く育てる覚悟がないとここまでの我慢は難しいのではないか。

指導者は、「気づかせてやること」が大切になる。そのためには、その選手をよく観察することだ

観察することで、その選手の長所や伸び代を発見し、それに気づかせてやるのが選手再生の肝だと言う。
そしてこうした辛抱と観察を支えるものが、その選手に対する愛情であるとのこと。結局、最後は愛情に行き着くのは、コーチングもモノづくりも変わらないと感じた。