戦後史の正体

戦後史の正体 (「戦後再発見」双書1)

戦後史の正体 (「戦後再発見」双書1)


9月に、NHKで放送していた「負けて、勝つ 〜戦後を創った男・吉田茂〜」全5回を見ていました。

いやぁ、何と重たい、迫力のあるドラマか。
良い悪いは別にして、こうやって今の日本が作られてきたんだなと胸が熱くなるドラマでした。

ドラマ中には、「麻生太郎」とか「細川護煕」とか名前が出てきて、これが家柄かと圧倒的なスタート地点の差に愕然ともしましたが。


で、このドラマを見て、もっと近現代史について知りたくなったので、評判の良かった本書を購入しました。



読み終わっての第一印象は、「日本ってやっぱり『敗戦国』なんだな」と再実感。

「自主」と「対米追従」という視点から日本の現代史が書かれており、後半に進むに従って、歴史上の人物の話からテレビで見たことがある人に繋がっていきます。


いやー、でも、ほんとジャイアンスネ夫ですね。

外国に憲法を作らせ、自分の身を自分で守ることができなくなると、平和と引き換えに相手の言うことを聞くしかなくなるんだなと。どっちが良いかと言われたら悩みますが。


アメリカとの関係を優先して経済を発展させるか、自立を目指してイバラの道を進むのか。

カナダはうまくやっている例として出されていますが、そのデメリットはあまり触れられていなかったので気になるところです。


ちょうどタイミング良く12月に総選挙となった訳ですが、これを読んでおいて良かったなと思います。基地問題、TPP、領土問題、原発問題などなど、ほとんど全ての問題がアメリカとの付き合いの中で生まれた(生まされた)もので、その根深さにため息が出てしまいます。


ただ、高校生でもわかるように書きましたと言っているわりには難しいです。まだ前述のドラマを見ていて予備知識があったので読み進められましたが、全く初めての、ましてや高校生が読んでもちんぶんかんぶんかと…。