Indepth Interviewのノウハウ

現職に就いてから数度のモデレータを経験したので、備忘録も兼ねてノウハウをまとめてみる。

シナリオメイキング

ICE BREAK

友だちの様にしゃべってもらうことを目標に、緊張の解ける話を。ユーザにも簡単な自己紹介をしてもらい、共通点などを探してトークを広げられるとベスト。

タスク設定

いかに「普段と同じ」気持ちになってもらうかが大事。いきなり「○○をやってください」ではなく、まず「○○をやったことはありますか?」と聞き、その状況を思い出させること。体験がない場合はシチュエーションをできるだけ細かく設定すること。これにより現実感が増し、タスクに没入してもらいやすくなる。また状況をイメージさせる時間を少し(数秒程度)確保するとなおよい。
×:「このサイトで母の日ギフトを一つ買ってみてください。」
○:「○○さんは最近ネットで買い物をしましたか?どんなものを買いましたか?うまくできましたか?そのときの状況を思い出してもらいながら、今度はこのサイトで買い物をしていただきたいんですが、ちょうど来週母の日がありますよね。もうプレゼントは決めてますか?(決めてないなら)これからこのサイトで○○さんのお母さんへのプレゼントを選んでもらえますか?(数秒の間)どうでしょう、イメージできましたか?」

オペレーション

距離

モデレータ自身では気付きにくいが、フレンドリーさを出そうとするあまり、ユーザに近づきすぎてしまいがち。適度な距離を保ってプレッシャーや不快感を与えないようにする。特にユーザが異性の場合は気をつけること。具体的には、お互い手を伸ばしても触れない程度をキープするのがよろしいかと。思ったよりも遠い。

マウス操作

ユーザの使うものとは別に、もう一つモデレータ用のマウスを用意した方がよい。体が交錯しないし、同じマウスを共用することによる不快感を防げる。ワイヤレスマウスだとなおよい。

画面の指し示し

たいていの場合タスク中の画面を録画しているので、インタビュー時に「ここが…」と示すときはマウスポインタでクルクルしないと記録に残らない。意識しないとつい指でやってしまいがち。

言葉遣い

NGワード

×行動、タスク
 ⇒普段どんな風に使っているか
×聞かせて
 ⇒教えてください
×説明して
 ⇒教えてください
どうしてもわからないから教えてもらう、という気持ちを前面に出す。

便利な言い回し
  • なるほどなるほど
  • たしかに
  • ちなみに
  • ですね ですよ ですかぁ?

(語尾をブツッと切ると固いイメージを持たれるので適度に伸ばしてやわらかく、声のトーン上げ気味で)

残る課題

  • 歳上のユーザに対しては腰が引けがちになってしまう。
  • ネットリテラシが自分より上だと思うと引けがちになってしまう。