「午前5時」から始まるアクティブシニアの朝活事情(後日談)

会社ブログ20本目です。

某社さまからの調査案件で、シニア層の方数名にヒアリングを行った内容の一部をネタにまとめました。

「歳を取ると朝が早くなる」とは噂で聞いていたものの、実際の様子を聞いてみると、本当に綺麗な共通点がありました。


記事でも触れたとおり、高齢になると好きで早起きをしているのではなく、「深い睡眠がとれなくなってしまう」ようです。これは今まで持っていた印象とは真逆でした。歳を取るほど長く眠るのかなと。

今回ヒアリングに協力してくださった方々は、比較的アクティブで、複数のおけいこごとや遊びのコミュニティに参加しておられます。そのせいか、ベッドに入る時間は思ったより遅く、睡眠時間も私たちとほとんど変わらないように思いました。

高齢者特有のヒアリングの難しさとその対策

今回のヒアリングでは、下のような高齢者特有のオペレーションの難しさも感じました。

どうしても口と耳だけでのヒアリングをしてしまうと、そこが不自由な方への対応が難しく、安定した調査ができなくなってしまいます。

たまたま今回は依頼者さまの提案で、事前にその方の「1日の過ごし方」をタイムライン形式で紙に書いてきてもらうことになっており、それに沿ってお話をうかがうことで質のカバーができました。

次回以降、同様のヒアリングがあったときに応用したいと思います。

DVDや他人のiPhoneの動画をiPadで見る方法

状況

音楽講師をやっている嫁から、以下のようなリクエストがありました。

  • DVDに入った生徒の発表会の映像を、iPadに入れて見られないか
  • 私のiPhoneに入っている発表会の映像を、iPadに入れて見られないか

うちは自分も嫁もiPhoneを持っていて、それぞれ自分のMacを母艦にしています。そしてiPad(初代)もあるのですが、これは自分のMacと紐づけています。


iPhoneiPadは素晴らしい製品ですが、現在のところ「DVDなどのオールドメディアとの相性」や、「他人の端末とデータをやり取りする」という部分が非常に弱いんですよね。

iCloudが始まって、同アカウント内ならかなり便利になってきましたが、アカウントをまたぐと途端にハードルが上がってしまいます。

備忘録として、今回の対応方法をメモしておこうと思います。

対応方法

DVDからiPad

今回受け取ったDVDは、既にDVDプレーヤー用にファイナライズされたものです。中身の動画のファイル形式はVOB。

こちらをまずiPad再生に対応した形式にするために、Mac用の無料リッピングソフトを使います。


起動してDVDを入れ、出てきたダイアログでそのDVDを選択すれば準備完了。あとはStartを押すだけです。
しかし1点ハマってしまったのは、下の図の「Video Codec」のところ。H.264にしておけば大丈夫です。これをFFmpegでやってしまうと、一見同じ.m4vファイルができるのですが、iTunesには登録できるのに、iPadの方に転送することができなくなってしまいます。

1時間のDVDで30分程度で変換終了。できた.m4vファイルを、iTunesのムービー欄にドラッグし、さらにそこからiPadの方にドラッグすればOKです。

他人のiPhoneからiPad

普通の写真であればbluetoothなどの転送アプリで対応できるのですが、動画となると時間がかかりすぎてしまいます。

なので、今回は一度こちらのMacで動画を吸い出そうと思います。

他人の動画を一時的に吸い出すだけなので、普段写真管理に使っているiPhotoと変に同期しないよう、Mac標準のソフトである『イメージキャプチャ』を使うとよいようです。


データを吸い出したい端末をケーブルでつなげると、イメージキャプチャの方で認識し、取り込みたい動画をデスクトップにドラッグします。これだけ。

あとの手順はDVDのときと一緒です。


今回は上の様に何とか対応して面目躍如となったんですが、結構調べ調べやったので時間と労力を使って疲れました…。iPadにDVDドライブが直接つなげたり、端末間の転送が高速になったりすると便利なのになと思います。

10/7:追記

iPhoneiPad同士の転送なら、以下のアプリが速度があってよさそうです。

Android端末から学ぶ「学習容易性」を阻害する要因とは(後日談)

会社ブログ19本目です。前週に引き続きApple製品の持ち上げ記事(笑)


いろいろ書いたんですが、いまのところ一番クリティカルな問題だと感じているのは「レスポンス」です。

特にシニアや初心者の方は、「待てない」のです。

コンピュータにある程度慣れた人は、ソフトを立ち上げるときに時間がかかる、ネットワークと通信すると時間がかかる、いまHDDに書き込みをしている、など『コンピュータの息づかい』を気にしながら使うのですが、初心者はこれができません。

だから教室でインターネットをしていても、リンクを押して3秒動かないだけで再びクリックしてしまいます。プログレスバーやマウスカーソルの砂時計を確認していないのです。


スマホでもほとんど同じことが言えます。ボタンを押して数テンポ反応が遅れただけで「おかしい。私が間違った?」と思って再度タッチしてしまいます。

これが続くといつまでたっても正しいコンピュータのお作法を学べません。


今も次々と新しいAndroidモデルが発売されていますが、上がったスペックを新しい機能につぎ込んでレスポンスを据え置くのではなく、シンプルで爆速な端末を作るだけで十分初心者にふさわしいモデルになるのではと思います。

Macを持ったシニアが街に溢れたら、何だかちょっとワクワクしませんか?(後日談)

会社ブログ18本目。

これを書いてすぐの話ですが、教室に通っている60代男性の方が、WindowsからMacに買い替えました。

よく教室で『GIMP』を使って画像加工の勉強をしたり、iPhoneで撮った動画をDVDに焼いたりと、結構クリエイティブな用途でパソコンを楽しんでいらっしゃる方です。

今まで11インチのレッツノートと15インチのVAIOをお使いだったんですが、レッツノートは画面が小さくてメモリも足りなくなってきたし、VAIOは持ち運びが大変だと。

iPhoneiPadをお持ちだったので、買い替えの選択肢として相性のよい『Mac』をおすすめしたのですが、「普段使っている先生がいるなら安心」ということで買ってきたそうです。

ちなみに買ったのはMacbook Air13インチでメモリとHDDを増強し、純正外付けDVDドライブ、仮想化ソフト、Windows7LTEモバイルルータもいっぺんに購入。「これ!」と思ったらお金は出し惜しみしない年代なのね、と改めて思わされました。


購入後、教室で何度かMacについての質問を受けたのですが、この方が困った&解決してうれしそうにしていたポイントのひとつは、新しいソフトのインストール方法でした。

そして1つのソフトの安さにも驚いていました。Numbersで1700円ですからね。OSのアップデートもMountain Lionが1700円。

こういう現場での反応を見て、ますますMacとシニアの相性について確信を深めるのでした。今後もiPhoneiPadから入ってMacに興味を持つ人が増えるのではと思います。

ガイアの夜明け-"不便を便利"に商機あり

少し遅ればせながら、7月10日放送回の『ガイアの夜明け』を見ました。

実は、マミオンが参画していた『あなたのでんわ』というシニア向け電話お話しサービスが先日テレ東に取材され、この回に放送されるはずだったんですが、残念ながら番組の流れと合わずにお蔵入りしてしまったのでした。

ただ実際の内容は、シニア向けビジネスのよい勉強になるものでした。

前半は、御用聞きであったり代行業であったりと、さして目新しいとも思わなかったのですが、最後の「背骨の曲がった人専用の洋服」ビジネスは非常に素敵だなと思いました。

腰が曲がってしまった女性にとって、既製の服は非常に着づらいものだという。上着が背中のところで吊りあがってしまい、腰のあたりが見えてしまうのだ。だから、腰が曲がると、オシャレもしたくなくなるという。

しかし、そんな人のために、背中の部分を7〜9センチほど長くし、背中が見えなくなるような服を作っている会社がある。それが「マダムトモコ」だ。世田谷に1店舗を構えているが、全国から買い求める客が後を絶たない。そんな新たな市場の可能性を追う。

日経スペシャル ガイアの夜明け(7月10日放送回) : テレビ東京

この服、1着29800円と非常に高価だったりするのですが、全国の購入者から感謝の手紙が続々と届いていると言います。

代行業なんかは結構誰でも思いつくもので単価も安いのですが、「腰が曲がって、洋服から背中が出てしまうのが気になる」という不満なんて、本当にシニアの方のそばにいないと気づかないポイントだと思います。

その分単価も上げられて、ニッチ過ぎて競合も入ってこれないと。いくつになってもオシャレに気を遣う『アクティブシニア』を支える非常によいビジネスだなと感じました。


自分もせっかくそうした年齢層の方々と接する機会が多いのだから、こうした成功例に追いつけ追い越せで、見本となるようなビジネスを考えたいところです。

シニアを優しく迎えるために守ってほしい、メルマガ発行時の最低限のルール(後日談)



会社ブログ17本目です。

この記事は本当に感情込めて書いてしまいました。

今回はメール爆撃を肩代わりできたからよいものの、もし本人がこれだけ訳のわからないメールをたくさん受け取っていたらと思うと、本当に企業の担当者に怒鳴り込みたくなります。


記事にも書いたのですが、こうなってしまう元凶は、「メールを出せば出すほど売れる」という状況だと思います。

ただしこうした状況も、シニアの方々のITリテラシの向上とともに効果が薄くなっていきます。事実、教室にいらっしゃるシニアの方々のメールボックスをうかがうと、広告的なメールはほとんど開けられていないのです。

また将来的に迷惑メールフィルターの精度がさらに増していけば、こうしたスパムメールベースのマーケティングの効果はますます期待できなくなるでしょう。


そうなる前に、お店はいかに『ファン作り』ができるか、アウトバウンドマーケティングからインバウンドマーケティングに軸足を移せるかが今後のキーになると思います。


ちなみに上述の明太子事件のその後、注文を手伝ったシニア女性の方から、お礼としてその明太子をおすそ分けしていただきました。1kgも買ったので、家では食べきれないと。

「こんなおいしいものが安く買えて、本当によかったわ。ありがとう」とおっしゃっていました。

そういう方々を、もっと増やしていきたいですよね。

日米シニアのWebサービス利用率を調べてみた(後日談)


会社ブログ16本目です。

日本のシニアのネットユーザーは4割。

普段は定性的なリサーチが主なので、こうして定量的な数値をまとめておく機会が作れてよかったです。

ただシニアマーケティング系の記事は全体的に反応が薄いので、Web担にも投稿しておきました。こちらは多少のフィードバックがあってよかったなと。

シニアのネットショッピングはキャズムを越えた!日米シニアのWebサービス利用率を比較してみた | Web担当者Forum


この記事のハイライトは、下のグラフに尽きると思います。

ショッピングは日本でも一般的になりつつあるものの、コミュニティサービスとなると日米でまだ数倍の開きがあるという部分。

逆に言うとこれだけ成長の余地があるわけで、これがアメリカの数値に追いついたときのことを考えると、ワクワクしてしまいます。


ちなみに教室に来るシニア層の方々、インターネットは「調べるだけ」という声が多いのんですが、一方でメールの利用率は結構高いです。実感だと5割以上。
このメールやメッセージングのサービスが、そのままコミュニティサービスになったら、その数倍の差をもっと自然に埋めることができるのではと思います。

そういう意味で、今度「LINE」がコミュニティプラットフォーム化するというニュースには、シニア層でも入りやすいコミュニティサービスという面で少し期待をしています。あんまり複雑にしてほしくはないですが。